労働新聞 2月11日 第2668号
ニュース
介護・育児の通災適用広げる――厚労省が検討
厚生労働省は、家族介護と育児を行う労働者に対する通勤災害保護制度の適用を拡大する方針を固めた。介護対象者の家に定期的に通い、一定時間滞在する必要がある場合を保護の対象となる通勤経路の「逸脱・中断」とみなす考えである。育児を行うために一定時間滞在したあと通勤経路に復したケースも同様の扱いとする。年間の通災認定件数は5万件を超え、そのうち130件程度が「逸脱・中断」に関連したものと推計している。
SAS検査助成制度の利用3倍増に――全ト協
居眠り運転の原因となる睡眠時無呼吸症候群(SAS)の早期発見をめざし(社)全日本トラック協会が実施している「スクリーニング検査助成制度」の活用が好調だ。検査費の半額を支給するもので、平成19年度(10月末現在)の利用者は、前年度(年間)の3倍以上となる4万人に上っている。全ト協によると、企業ぐるみで検査を受けるケースがめだったという。SASの労働者に不利益な取扱いをしないよう企業に呼びかけたことも、労働者側の積極的な姿勢を引き出し、利用者増につながったとみている。
動物病院 5割で法定時間守らず――横浜南労基署
神奈川・横浜南労働基準監督署(坂間孝朗署長)は、管内動物病院に対する自主点検結果をまとめた。半数の事業場で週40時間超の所定労働時間を定めており、法定労働時間に違反していた。時間外・休日労働に関する協定の不備や、健康診断を実施していない事業場はともに7割に上る。労働保険の未加入事業場まであったことから、同労基署は今後、基本的な法令周知を徹底させる方針だ。動物病院が指導対象となるのは初めて。
労組
全労働者の「底上げ」へ ――08春闘・連合主要産別の方針一覧
08春闘における連合の基本スタンス「非正規労働者を含むすべての労働者の底上げ」を軸にした産別方針がおおむね出揃った。「月例賃金」重視の姿勢は変わらないが、パートの処遇改善や法定最賃の引上げにつながる企業内最低賃金協定の締結・改定、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた時間外割増率の引上げなどを交渉のテーブルに乗せる構えだ。主要産別の方針をまとめた。
賃金
男性所定内・東京41.6万円に――賃構調査・都道府県別速報
厚生労働省の平成19年賃金構造基本統計調査(都道府県別速報)によると、男性・一般労働者の所定内給与額は東京41.6万円、大阪36.0万円などとなった。前年に比べて東京が1.1%増加したのに対し、大阪は0.1%増にとどまった。全国47都道府県のうち、24カ所が前年比プラスとなっている。年間賞与額については、東京が150万円を超えている一方で、東北や九州などでは80万円を下回る地域が散見される。
追跡レポ
パートのキャリアアップに道筋――㈱シェブ
ベビーシッターやハウスキーパーによるサービスを提供する㈱シェブ(東京都港区、柳基善代表、従業員175人(うち常用パートタイム社員165人))では、「社員転換制度」を整備した。長期に働きスキルの上がったパートを契約社員へ、さらに、専門能力を持った優秀者を職種転換して正社員に登用する。パートにキャリアアップの道筋を示すことで、優秀な人材の獲得・定着をめざす。表彰制度や懇親の場の提供でロイヤリティー向上につなげ、東京都の「モデル企業」に指定された同社の取組みを紹介する。
人事学望見
複数労組が存在する場合の36協定
時間外休日労働協定は別名36協定といわれ、労働基準法第36条に労使協定をした場合、使用者は同法32条に規定する1週40時間、1日8時間を超えて働かせても罰せられないとされている。ただし、協定当事者は労働者の過半数で組織する労働組合、ない場合は過半数を代表する労働者代表でなければならない。したがって、少数労組から締結要求があっても応じる必要はない。この場合、36協定は使用者の免罰効果だけだから、少数組合に加入する労働者が「当然に時間外労働義務」が発生するわけではなく、民事上の要件として就業規則に「業務の都合上36協定に規定する範囲内で時間外労働および休日労働をさせることがある」旨の規定を設けなければ残業命令を発令できない。
実務相談
割増賃金の算定基礎に含むか
業務の都合で、2カ月ほどの間、従業員に月2~3回、本社から離れた営業所に直行・直帰してもらうことになりました。営業所勤務の場合、1日500円の手当を支給します。たとえば、月3日分、1500円の手当を支給した場合、割増賃金の算定基礎に含める必要があるのでしょうか。除外賃金に該当しないので心配です。


