労働新聞 2月9日 第2716号
ニュース
労働局ブロック化に反対続出
内閣府の地方分権改革で打ち出されている都道府県労働局のブロック化に、公労使で構成する審議会から反対論が噴出している。労働局に労働相談、届出をしようとする労働者や事業主の利便性が大きく損なわれ、権利救済に多大な支障が生じるばかりか、地域別最低賃金額の円滑な決定なども難しくなるとした。労働政策審議会の労働条件分科会、雇用均等分科会では、いずれも再検討を求めた意見書をまとめ、関係筋に訴えていく方針を明らかにしている。
中小2000社に個別経営指導――東京都21年度
東京都は平成21年度、中小企業の業績改善を後押しするため、東京商工会議所などと連携して経営指導員を派遣する「中小企業経営力向上支援事業」を新たに始める。人材育成や販売戦略など各社が抱える経営課題を経営者自身に認識してもらうため、約2000社を対象とした自主点検を今年6~10月ころに実施。結果に基づき経営指導員が助言を行うとともに、助成金や融資など都の各種支援策の活用を促していく。
地場製造業へ異例の集団指導――王子労基署
東京・王子労働基準監督署(古角豊署長)は、地場製造業に対する集団指導を実施した。昨年複数の事業場を臨検監督したところ、36協定の特別条項超過や賃金不払残業が判明したため、年度計画にはない異例の開催である。労働災害も増加傾向にあることから、併せて安全衛生管理体制についても指導している。来年度も引き続き指導対象業種として重点的に改善を図る意向だ。
労組
30歳25万4千円目標に――JSD09春闘
百貨店やチェーンストアの労組で構成する日本サービス・流通労働組合連合(JSD・桜田高明会長)は1月27日、東京で第6回中央委員会を開催して09春闘方針を決定した。いわゆる正社員の月例賃金については、物価上昇分1・5%を踏まえつつ、未到達の全組合がめざす「社会的基準」は30歳で「25万4000円」と設定した。一方、通常の労働者と職務内容や人材活用の仕組みなどが一定期間同じパートについては、「制度維持分含め4%以上」を引上げ基準としている。
賃金
経営ビジョンを“人材要件”へ――ヤンセンファーマ
ヤンセンファーマ㈱(東京都千代田区、関口康社長)は、経営ビジョンに基づいて“人材要件”を定義し、評価、育成などの各種人事運用の基盤として活用している。社員に求められる行動を等級ごとに明らかにしたもので、リーダーシップや戦略立案力など全社共通の5つの軸・9つの要素に関し、期待されるレベルを明確にしている。評価制度とも密接にリンクしており、行動評価の評価項目として用いる一方、成果評価における目標設定時にも参照していく。評価結果は昇給、賞与に反映するとともに、昇級判定の基準としても用いる。
追跡レポ
独自テキストで検定合格を――小林洋行
商品先物大手の㈱小林洋行(東京都中央区、細金成光社長、従業員・連結396人、単独107人)では、営業マン(外務員)の資質向上のため、専門知識の修得とコンプライアンス意識の醸成に力を入れている。各商品取引所が実施する検定試験への挑戦を奨励し、独自テキストを作成、模擬試験を実施することで合格率アップにつなげた。重要性が高まるコンプライアンス教育でも、具体例に基づく実践的な研修などにより、意識の徹底を図っている。
人事学望見
整理解雇の4要件とは何か
米国発の金融危機によって、わが国の輸出産業は大打撃を蒙っている。世界のトヨタを始めとする自動車、パナソニックなどの家電といった製造業界では、内需の伸びもはかばかしくなく、派遣切りに象徴されるような非正規労働者の雇用崩壊が蔓延している。これは正社員の解雇にも波及してきたが、労働者の責めによる場合の解雇と異なり、経営側の理由による整理解雇については、民事的にその合理性、相当性が問われるケースが多い。解雇を有効とさせる場合には、解雇権濫用法理に基づく①人員整理の必要性②解雇回避努力義務③被解雇者選定基準とその運用の妥当性④解雇手続きの妥当性――という4つの要件について、合理性、相当性があるか否かが吟味される。
実務相談
36協定の限度枠超えた責任は?
当社で派遣契約の打切りを決めたため、派遣元の人材会社が相当数を解雇したと聞きます。そのうち1人が、在職中に「36協定の限度を超える時間外を強制された」と当社に苦情を訴えています。36協定の締結義務は派遣元にあるので、法的な責任は当社に及ばないと考えますが、いかがでしょうか。


