労働新聞 3月1日 第2767号
ニュース
登録、製造派遣を原則禁止――改正案要綱まとめる
厚生労働省は、労働者派遣法改正案要綱を明らかにした。法律名を派遣労働者保護法に改めたうえ、日々または2カ月以内の短期派遣の原則禁止、常時雇用する労働者でない者の労働者派遣の原則禁止などが柱となっている。違法派遣を行っていた派遣先に対する労働契約申込みみなし制度の創設も明記、これに反して派遣労働者を就労させない場合は、助言、指導、勧告に続いて企業名の公表がてきる。
申告、情報提供契機が5割増――東京労働局・司法処理状況
東京労働局(東明洋局長)は、平成21年における司法処理状況をとりまとめた。労働者からの申告・情報提供などを契機に書類送検したものが前年比5割増の21件に上ることが分かった。災害減少を背景に労働安全衛生法違反が大幅に減ったため、書類送検全体は前年比5件減の60件にとどまった。告訴・告発や申告の増加によって賃金不払いや違法な長時間労働、割増賃金不払いなどの労働基準法違反が存在感を増している。
管理職層で違反多発――向島労基署
東京・向島労働基準監督署(髙橋利光署長)が保険業と小売業・飲食店に対する集中的な立入調査を実施したところ、管理職クラスでの違法な長時間労働や割増賃金違反が発覚した。保険業では特別条項付き36協定の延長時間の延長回数超過、小売業・飲食店では残業手当の未払いや残業に見合わない役職手当の支給がめだった。いずれの業種も労働時間の把握が疎かになっているのが実情である。
労組
ダイハツ・富士重が改善要求――自動車春闘スタート
自動車総連傘下の大手メーカーなど拡大戦術会議登録組合12社は、2月18日までに10春闘の要求書を経営側に一斉に提出した。ベアの概念がない賃金制度に改定済みの日産を除くと、12社のうちで明確に賃金改善を要求したのはダイハツと富士重工の2社。それ以外は、賃金体系の維持に必要な定期昇給分の確保を掲げた。西原浩一郎会長は「モチベーション維持に向けたギリギリの要求。これに応えるのは経営者の最低限の責務」などと話した。UDトラックス、三菱ふそうの大型2社も賃上げを要求した。
賃金
希望職務獲得へFA宣言――神奈川・藤沢市
神奈川県・藤沢市は、職員のモチベーションアップを図るため、今年度から庁内フリーエージェント制度と専任職制度を開始した。上司や人事部門を介さずに直接、希望先職場の部長へ申請できるFA制度は、市長との面談を通して自らアピールをし、求める職務を獲得するというもの。一方の専任職制度は、特定分野において長期の就労を可能にする仕組みで、認定されると最低5年以上は異動がなく、同一業務に専念できる。ともに直近の評価で一定以上の結果を収めたことを条件としており、職員の挑戦意欲を喚起しつつ適材適所を実現する制度として期待している。
追跡レポ
職場環境改善進め障害者を安定雇用へ――深澤電工
深澤電工(株)(静岡県駿東群長泉町、深澤好正社社長、従業員50人)では、障害者雇用に早くから取り組み、安定雇用を実現している。能力が同等であれば健常者と処遇の差は設けない。身体障害者は、アビリンピックで金賞を受賞するなどスキルの高い人材が多く、同社の生産活動の要となっている。車椅子での移動が可能なバリアフリーの実現、エレベーター設置など作業環境も整備。5Sの徹底活動で築かれた経験をもとにトイレ掃除事業を創出し、知的障害者と高齢者の雇用の新たな受皿作りも進んでいる。
人事学望見
突然ユニオンから団交要求が…
春闘の季節はもちろん労働組合の存在が最もクローズアップされるが、年がら年中マスコミを賑わす組織がある。合同労組がそれで、通常は○×ユニオンという命名が多い。企業内組合と異なり、地域企業に勤める個人を対象にした組織で、浮上してくる問題もすこぶる限定され、かつ多種多様であるのが特徴。こうしたユニオンでは、組合員名簿を公表しないケースが多く、いきなり団体交渉要求を突き付けてくる。それでなくても組合アレルギーの強い中小企業主は右往左往させられてしまう。こうした団交要求に応えなければならないか、が第一の問題だが、残念ながら一般の労組と同様の団結権・団交権・団体行動権が憲法によって保証されているため、応じないと不当労働行為にとわれてしまう。団交に応じることと、合意することは別物だから、逃げ回らず堂々と相手になろう。
実務相談
年休賃金は派遣元負担か
6カ月の派遣契約を結ぶ方向で交渉しています。派遣先(予定)では、「ゴールデン・ウイークに合わせ、計画年休を実施するので、そのつもりでいてほしい」といいます。計画年休で休んでいる間、賃金は派遣先・派遣元のどちらが負担するのでしょうか。今回の派遣では、新しく社員を採用するので、年休はその時点で発生していません。


