労働新聞 2月22日 第2766号
ニュース
最賃違反率が上昇傾向――厚労省が全国監督結果
地域別最低賃金の違反率が徐々に高まりつつある実態が、厚生労働省の集計で明らかになった。平成21年1~3月に実施した監督指導結果によると、最低賃金違反率は8.4%で、20年同期の7.6%、19年同期の7.0%から上昇傾向にある。最低賃金未満で働いていた労働者の割合もこの間に1.5%から2.3%に拡大した。厚労省では、時給800円を当面の全国最低賃金額に想定して検討をスタートさせている。
キャリアパス要件に関心集まる――介護処遇改善交付金
介護職員の賃金引上げを助成する介護職員処遇改善交付金の要件として平成22年度から追加される「キャリアパス要件」が、介護事業者の関心を集めている。厚生労働省は今年3月までに内容を決定する方針だが、事業者団体によって「小規模施設ではキャリアパス構築が困難」などの見方があるためだ。一方、全国社会福祉施設経営者協議会では、特別養護老人ホームのキャリアパス例を示すなど、要件を満たすための独自のガイドラインづくりを進める団体も現れている。
育休の前後通し情報共有――愛知経協と連合愛知が手引
愛知県経営者協会(山田隆哉会長)と連合愛知(神野進会長)は、このほど「育児休業・短時間勤務を取得する社員が出る職場で生じる課題と対応ハンドブック」を共同で作成した。休業期間中の上司や同僚の交代に備えて育児休業前・中・後で独自のシートを活用し、本人と上司と人事部の情報共有を円滑にした事例などを取り上げている。少子・高齢社会におけるワーク・ライフ・バランスの推進を後押しするためで、整備に遅れがみられる企業向けに具体的な解決策を提供するのが目的である。
労組
一時金は昨年の要求時水準で―― NTTグループ・10春闘
NTT労働組合は、2月16日に横浜市で開催した第14回中央委員会で10春闘要求を決定した。低迷する業績を背景に月例賃金の改善要求を見送る今回、生活維持・防衛の観点で、昨年の要求時水準と同額の一時金要求を行う基本原則を確認した。グループで最高「年間185万円超」水準で昨年妥結したNTTドコモと同データは「業績を踏まえた金額」のような文言要求だが、同コミュニケーションズは昨年135万5,000円を要求、同額で妥結している。勤務間インターバル(休息)の導入論議も申し入れる。
賃金
現金給与総額・過去最大の3.9%減に--厚労省・毎勤21年分速報
厚生労働省の毎月勤労統計調査の平成21年分速報によると、平均月間現金給与総額は前年比3.9%減の31万5,164円だった。物価変動を踏まえた実質賃金指数でも2.6%減となり、名目・実質とも過去最大の落ち込みを示している。就業形態別では、一般労働者が3.4%減の39万7,788円、パートタイム労働者が1.5%減の9万4,812円だった。雇用面では一般労働者が5年ぶりにマイナスに転じ、パート比率は1.18ポイント増の27.29%となった。
追跡レポ
1年目はじっくり基礎固め――クリナップ・プール職制度
システムキッチンなどの住宅設備機器の製造・販売・施工を行うクリナップ(株)(東京都荒川区、井上強一社長、社員数2,567人)では、入社1年目を「プール職」期間と位置付け、達成目標を与えず基礎固めに専念させることにより早期離職防止に効果を挙げている。職場の先輩が専任でOJTを行う「ブラザー・シスター制度」を機能させるため、上司の役割を明確化し担当者任せにせず部署全体で育成する態勢を確立。教える中身は各部門別に本部主導で全社共通プログラムを策定することでばらつきをなくし、従来より実践的になったと評判。同社の長い目で見た新人育成の取組みを追った。
人事学望見
関心高まる賃金立替払制度
景気の冷え込みが続いている。中小企業の倒産件数も変わらず増加傾向にあり、職を失った労働者の家計は逼迫の一途だ。このなかにあって、中小企業の利用率が9割を超すという制度がある。賃金の支払いの確保等に関する法律に基づいて、(独)労働者健康福祉機構が運用している「賃金立替払制度」がそれだ。大企業の場合は、破産法など法律上の倒産が対象になるが、中小企業(製造業では従業員300未満など)は、事業活動に著しい支障を生じたことにより、労働者に賃金が払えなくなった状態にある、と所轄の労働基準監督署長が認定した場合には、制度が適用される。ここ2年間は利用が急上昇しており、景況悪化の指標ともなっている。立替の対象は定期賃金と退職手当で、ボーナスなど臨時に支払われたものは含まれない。年齢や未払賃金額で金額が決められている。
実務相談
特別条項の対象者を指定?
当労組では、毎年3月の時間外・休日労働(36)協定の改定に合わせ、会社側に特別条項発動時の割増賃金率の引上げを要求するつもりです。しかし、一部の女性従業員から、「そもそも、女性には特別条項を発動しないよう協定してほしい」という要望が出されました。そのような取扱いが、可能なのでしょうか。


