←HOME

労働新聞 1月30日 第2858号

ニュース

雇用保険料率・下限の1.0%に引下げ――厚労省決定

平成24年度の雇用保険料率は現行の1.2%から1.0%に引き下げ――厚生労働省の労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会(清家篤部会長)は、「雇用保険制度の見直しの方向」に関する最終報告をまとめた。経済情勢が依然厳しい状況にあるためで、個別延長給付や雇止めによる離職者に対する基本手当給付日数の優遇などの暫定的措置も、さらに2年間延長するとした。一方、支給要件の緩和を続けてきた雇用調整助成金は、20年度後半以前の状態に段階的に戻すべきであるとした。

派遣先製造業に団交応諾命令――福岡県労委

福岡県労働委員会(野田進会長)は、派遣労働者の時間外手当に関する団体交渉に応じなかったのは不当労働行為に当たるとして、派遣先の大型鋳鍛鋼製品製造会社に団交応諾を命令した。1カ月の残業が長時間に及ぶ場合には翌月の残業分として申請するよう派遣労働者に命じるなど、労働時間管理の方法に関する具体的な指示を行った結果、賃金未払い問題が発生したことから、「派遣元と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定できる地位にある」とみて、労働組合法上の使用者と判断した。

〝有償ボランティア〟で指導――山形労働局

山形労働局(角元利彦局長)は、保育所・託児所などに対する重点監督の結果をまとめた。自主点検で法令違反が疑われたケースを中心に117事業場を立入調査したところ、8割で労働基準関係法令違反が明らかになった。「有償ボランティア」の名称で働いている者の中に、実態として労働者に該当する者が存在したため、雇入通知書を交付して労働契約を締結するよう指導している。半ば労働者のようなグレーゾーンの者も少なくないことから、併せて区分の明確化を促した。

労組

〝個別賃金〟要求に転換――今春闘から紙パ連合

紙パ連合(鈴木辰男中央執行委員長)は、賃上げ要求の方式を、今年の12春闘から「個別賃金要求」に切り替える。賃金カーブ維持分を確保した上でめざす「到達水準」として30歳=25万3800円、35歳=29万1800円のふたつを設定した。すでにこの水準に達している組合は、同維持分確保のうえで非正規の処遇改善を含む何らかの生活改善に取り組む一方、同維持分を把握できない組合は平均5000円以上の要求をそれぞれ産別基準とした。1月19~20日に東京で開催した第19回中央委員会で決定した。

賃金

大卒35歳モデル31.8万円に――東京都・中小企業の賃金事情

東京都の「平成23年版中小企業の賃金事情」調査によると、大卒のモデル所定内賃金は22歳20.2万円、35歳31.8万円、45歳40.4万円、ピークの55歳47.2万円などとなった。全体的に前年結果から大きな変化がみられなかったなか、45歳が1.0%減、50歳が1.3%減とめだってダウンしている。一般労働者全体の平均賃金は、所定内が34.6万円で前年同水準にとどまり、所定外は2.5万円で1.0%減少している。

追跡レポ

働くママに無料託児所提供――COCO‐LOの両立支援策

訪問看護、デイサービス事業などを展開する(有)COCO‐LO( 群馬県桐生市、雅樂川陽子代表、従業員45人)では、3歳までの育児休業制度や復帰者を支援・優遇する制度の整備、社内託児所の無料提供など仕事と家庭の両立支援策を拡充している。資格取得支援、研修制度の充実によりスキルアップを図る一方で、土日を休業とし年間120日の休日を確保。有給取得を奨励し平均取得率が75%に達するなどスタッフのワーク・ライフ・バランスを重視した結果、優秀な人材の確保・定着と顧客満足につながり、経営面でも大躍進を遂げている。

人事学望見

出産休業について考えてみる

労働基準法第65条は、産前・産後休業についての規定だが、両者の性格は異なる。産前休業期間は出産予定日の6カ月(多胎妊娠の場合は14週間)だが、休業は当該女性の請求が前提となっており、6週間前から当然的に発生するものではない。極論すれば、妊婦が出産ぎりぎりまで出勤しても使用者は、提供される労働を拒否できない。これに対し、産後8週間の休業は、当該女性の請求を条件とするものではなく、当該期間について、使用者は労働者の請求の有無を問うことなく就業させてはならない。ただ、産後の健康状態は各人異なり、また経済的理由から就業を希望する場合がある。これについては、産後6週間を経過し、労働者の請求を条件として、医師がその者について差し支えない業務の限り、就業が認められている。

実務相談

死亡退職金誰に支払うか

判例(本紙平成23年12月19日付14面)のページで、弁護士の先生が「死亡財産は相続財産ではない」と解説されていました。遺族が相続できないとすれば、退職金の支払先はどうなるのでしょうか。「受給権の順位を明確に定める」など、実務的な注意点を教えてください。