労働新聞 1月21日 第2665号
ニュース
長期安定雇用に回帰を――厚労省が中長期方針
厚生労働省は、昨年10月に施行した改正雇用対策法に基づき、政府による中長期的施策考え方を明らかにした「雇用政策基本方針」(案)を初めて作成した。バブル崩壊から立ち直った2002年以降の景気上昇に対応して、企業の人事賃金制度の大幅修正を迫ったもので、従来までの成果主義的賃金による業務の短期的評価重視型から雇用安定と人材育成機能を備えた長期雇用型への移行が必要と強調している。
改正パート法で企業の対応進む――関西経協調査
今年4月の改正パート労働法施行を前に、正社員との職務区分の厳格化を検討する企業が3割に達する――こんな実態が関西経営者協会の調査で明らかになった。パートの責任範囲を限定する企業も2割みられるなど、処遇差別が禁止される“通常の労働者と同視すべきパート”に該当しないよう対策を練っている模様だ。同視すべきパートがいる企業のうち1割超は、法施行前に職務変更などを行い非該当者へ移行を図るという。
管理監督者偽装で送検――宮崎労基署
宮崎労働基準監督署(平川幸一署長)は、課長以下13人の役職者を管理監督者扱いにし、労使協定で定める1カ月当たりの限度時間を超えて最大200時間以上の時間外労働をさせていた自動車部品の製造会社を、労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで宮崎地検に書類送検した。時間外・休日労働の割増賃金を支払っていなかったため、同法第37条(割増賃金)にも違反している。
労組
介護労働者・2万円の賃金増見込む――民主党が人材確保へ法案上程
連合の支持政党である民主党は1月9日、人手不足が深刻な問題になっている介護労働者の人材確保に向けた特別措置法案をまとめ、衆議院に提出した。介護職員の待遇の低さを問題視し、平均賃金が一定以上となる見込みの認定事業所に、今年4月から介護報酬を3%加算する内容となっている。仮に全てが認定事業所となった場合、17年度の介護費用総額を基に試算した介護労働者(常勤換算)およそ80万人の報酬月額は2万円程度の引上げになる。財源は全額国庫負担とし、保険料は引き上げない。
賃金
大卒総合職35歳モデル38.9万円に――日本経団連・定期賃金調査
日本経団連の「2007年6月度定期賃金調査」によると、大卒・総合職(管理・事務・技術労働者)の標準者賃金は、22歳20万8,485円、35歳38万9,029円、45歳54万8,484円、ピークの55歳64万2,414円などとなった。初任時の22歳に対する55歳の割合は、3.08倍に及んでいる。実在者を集計している役職者賃金は、部長(兼取締役)101万486円、部長69万6,251円、課長53万1,425円、係長39万5,584円だった。すべての役職で前年結果を上回り、とくに部長(兼取締役)は約22万円と大きく増加している。
追跡レポ
多様な働き方選べます――オリックスのフレックスオフィス制度
オリックス㈱(東京都港区、藤木保彦社長、従業員・単独3400人)の「フレックスオフィス」制度が社員に好評だ。外出途中に立ち寄れる「ドロップインオフィス」、パソコンを貸与し、自宅で働ける「ホームオフィス」や外出先でも仕事ができる「モバイルオフィス」――の3つを用意。柔軟な働き方が可能な環境を整備することで、女性社員の家庭と仕事の両立を支援し貴重な戦力の退職を防ぐとともに、全社員の働き方の見直しと業務効率化につなげる。
人事学望見
振替休日と代休活用
振替休日と代休について、理解度の混乱がある。振替休日は就業規則所定の法定休日(1週1日もしくは4週4日)を労働日とし、4週間以内の労働日を休日に振り替えることをさし、これによって35%の休日割増賃金の支払いを免れることができる。これはあらかじめ就業規則にその旨を規定し、できるだけ近接の労働日を事前に振替休日として特定しなければならない。また、週40時間を超えたときには、超過分について25%の割増賃金を支払わなければならない。代休は休日出勤の代償として後日休みを付与するもので、それが法定休日であった場合には35%の割増賃金が必要となる。旗日や会社休日の場合にはこの割増賃金の支払いを要しないが、個々バラバラに取得する場合が多く管理面に注意を。
実務相談
36協定の限度基準超えたら
当社では、研究・開発部門についても時間外・休日労働(36)協定を結んでいます。今年度は、新規プロジェクトが重なった関係で、時間外労働の累計が1年の協定時間をオーバーしそうな勢いです。しかし、研究・開発業務にはそもそも一般的な時間外の上限基準が適用されません。協定で定めた時間を超えてしまった場合、どうなるのでしょうか。


