労働新聞 1月11日 第2760号
ニュース
定昇分1.6%確保を――楠田丘氏が賃金交渉を展望
楠田氏は、10春闘の展望について本紙に寄稿した。定昇分の1.6%(5000円)の引上げの確保をベースとし、好業績企業はさらに上乗せを求めている。労使間の喫緊の課題として、非正規労働者の正規化の必要性を指摘した。
パート雇用、半数で法違反発覚――東京労働局監督結果
東京労働局(東明洋局長)は、パートを雇用している事業場に対する臨検監督結果をまとめた。約半数で労働基準関係法令の違反が発覚し、是正指導している。労働条件通知書を交付しなかったり、割増賃金を適切に支払っていない事業場がそれぞれ2割近くに上ったほか、最低賃金法違反も6.4%みられた。同労働局は「基本的な違反がめだつ」とみて、今後、積極的に集団指導を展開し、法令順守を強く呼び掛ける考えだ。
店長に過重労働させ送検――大阪中央労基署
大阪中央労働基準監督署(行広利法署長)は、過重労働が原因で死亡した店長に対して月100時間超の長時間労働をさせていた居酒屋チェーンを労働基準法第40条(労働時間および休憩の特例)と労働安全衛生法第66条(健康診断)違反の疑いで大阪地検に書類送検した。同社は36協定を締結・届出せずに時間外労働をさせたうえ、店長を事実上の管理監督者として位置付けており、残業手当を一切支払っていなかった。
労組
賃上げ要求「4000円中心」に――運輸労連10春闘方針(案)
運輸労連(山浦正生中央執行委員長)は、2010春闘における賃上げ基準として「4000円中心」とする要求案を固めた。定昇目標分1.5%=3500円に格差是正分500円を上乗せしたもので、「身の丈に合った要求をしてしっかり取りきる」(同委員長)考えだ。月60時間超の時間外労働に50%以上の割増率を規定した改正労基法が来年4月に施行されるのを受け、すべての単組が同50%以上への引上げに取り組むことも要求案の中に盛り込んだ。1月28日の中央委員会で正式に決める。
賃金
1人平均賃金改定額3,083円に――厚労省・賃金引上げ実態調査
1人平均賃金改定額3,083円に――厚労省・賃金引上げ実態調査
厚生労働省の「平成21年賃金引上げ等の実態調査(概況)」によると、常用労働者100人以上の企業における1人平均賃金の改定額は3,083円、改定率は1.1%だった。前年に比べて1,334円、0.6ポイント減と大幅に低下している。21年中に1人平均賃金を引き下げた企業割合は12.9%となり、11年の調査開始以来最高の数値に。一方、賃金改定を実施した企業(予定含む)のうちの30.9%が、賃金カットまたは諸手当の減額を行っている。
追跡レポ
8コースから選んで参加――トステム「健康づくりキャンペーン」
トステム(株)(東京都江東区、潮田洋一郎社長、従業員9,768人)では、健康保険組合が年2回実施している「健康づくりキャンペーン」の参加率が高まっている。ウォーキングなどの「運動習慣」醸成コースや、禁煙、ダイエットなど「生活習慣」改善コース、新設した「なんでもチャレンジ」コースの8種類から参加したいメニューを選べるのが特徴だ。それぞれが3カ月間、個々に取り組むが、家族参加もOKとし、目標達成者に図書カードを贈呈するなど、参加しやすく、やる気を引き出す仕組みが奏効した。
人事学望見
中小企業と継続雇用制度
65歳までの高年齢者雇用確保措置は、老齢厚生年金の受給年齢引上げにそって進められ、現在の対象年齢は63歳(今年3月31日まで)。以降、4月1日から25年3月31日までが64歳で、同年4月1日から65歳に到達する。雇用確保は、定年年齢の廃止と継続雇用制度によるものに別れるが、後者のほうが圧倒的に多い。その対象基準については、労使協定によることが原則だが、暫定措置として労使の協議が調わないときは、就業規則に規定してもよいことになっている。これについては、従業員が300人を超える大企業と300人以下の中小企業で期限が分かれていた。昨年3月31日に期限切れになった大企業の場合は就業規則のままで、労使協定化に至らないという失態を演じた企業が続出した。中小企業は、期限が来年3月31日となっているため、まだ大分余裕はあるものの、大企業の失態を他山の石とし、今から準備作業に入ろう。
実務相談
特別条項の割増率変えたい
改正労基法では、特別条項を発動するときは「割増賃金率を25%超とする」努力義務を課しています。現在、当労組は会社と交渉中ですが、会社側は「月45時間を超える部分のみ30%とするのはどうか」と提案してきました。1年360時間を超える部分は法定どおりの率で据え置くというのですが、果たして可能なのでしょうか。


