労働新聞 12月6日 第2803号
ニュース
継続雇用の経過措置廃止――厚労省・個別指導へ
厚生労働省は、高年齢者の継続雇用制度導入に当たり、就業規則で対象者を限定できる「経過措置」を今年度いっぱいで終了させる。このほど開催した労働政策審議会で決定した。現在、就業規則により対象者の限定が可能なのは、労働者数300人以下規模の中小企業で、今年6月1日時点の企業数は1万2,326社となっている。厚労省は今後、個別に企業を訪問し、経過措置の終了について周知徹底する。
高齢者派遣でガイドライン作成――派遣協会
(社)日本人材派遣協会(坂本仁司会長)は、60歳以上の労働者派遣を推進するため、派遣元のモデル事例と取組みの留意点を示した手引書「高齢者派遣のガイドライン」を作成した。金融や家電販売などの専門分野で高齢者の知識・経験を生かした派遣を行って実績を上げているケースや、企業グループの派遣会社が親会社OBの継続雇用策として事業展開するケースを紹介。派遣先でのトラブル防止には、初めて派遣就労する高齢者に「謙虚になる」「初心に帰る」などの心構えを伝えておく必要があるとした。
情報・ソフト 精神障害の労災請求増加――品川・渋谷労基署が講習会
情報処理・ソフトウェア業界で精神障害等にかかる労災請求が増加――東京の品川・渋谷の両労働基準監督署は、品川情報処理産業労基研究会、渋谷・世田谷地区情報産業労働基準研究会と共同でメンタルヘルス対策の労務管理講習会を開催した=写真。上司を定期的にメンバーと面談させる「コミュニケーションシート」の活用が有効とみて、先進企業事例を紹介している。
労組
日本人船員の確保・育成に全力――海員組合が方針決定
海上輸送や内航海運、フェリー、旅客船、水産漁業船などの船員を中心に組織する全日本海員組合員(藤澤洋二組合長)は、日本人船員を確保・育成する取組みに全力を挙げる新年度の運動方針を決定した。11月9~12日までの4日間東京で開催した第71回定期全国大会に提案した議案を了承したもので、国土交通省が年内に第1回会合を開く予定の船員税制改革に向けた検討会への意見反映や、今春スタートした奨学金制度の定着と同奨学金貸与生の就職支援を通じて海への関心を高めたい考えだ。
賃金
部下全員が上司ぶりを採点――三洋商事(株)
三洋商事(株)(大阪府東大阪市、上田博康社長)は、管理職を直属の部下全員が評価する「360度評価制度」を導入した。部下がきちんと意見をいえる“風通しの良い職場”を醸成し、管理職に自らの行動の振り返りと成長を促すことを目的とした取組みで、リーダーシップや周囲のやる気の醸成などの約40項目について採点してもらうもの。集約した結果は本人へフィードバックし、第三者機関による個別面談を通して今後の行動計画策定に結び付ける。昇進や報酬などの処遇面には反映せず、年1回、定期的に実施していくことで、管理職の育成、職場環境の継続的な改善を図っていく。
追跡レポ
女性の働きやすい環境整備――いばらきコープのポジティブアクション
いばらきコープ生活協同組合(茨城県小美玉市、佐藤洋一代表理事、職員数1,413人)では、女性職員の活躍支援策を強化している。母数拡大へ正職員女性の新卒採用を増やすとともに、個人別育成計画の作成、研修の実施、新たな職域への登用などでロールモデル育成へつなげる。周囲の意識徹底に向けセクハラ防止対策も強化。人事制度改定で主任職が誕生したパート女性職員のキャリア意識も向上している。育児休業からの職場復帰支援プログラムの充実、短時間勤務の拡充などで、復帰率は100%に。「女性の働きやすい環境づくり」に向けた同生協の取組みを紹介する。
人事学望見
解雇予告手当は賃金に準ずる
使用者が労働者を解雇しようとするときには、30日前に解雇予告するか、平均賃金の30日分に相当する解雇予告手当を支払わなければならない。これは労働基準法第20条で定められた解雇手続きだが、就業規則で定めた解雇事由に該当するときでも、労働者がそのまま応じるとは限らない。労働条件相談コーナーに駆け込んだり、地域ユニオン(合同労組)に加盟するなど強硬に抵抗する場合も珍しくない。解雇予告手当についても受取拒否に出る場合もある。ところで、解雇予告手当は賃金ではない。しかしながら行政解釈では、賃金に準じて扱うこととしており、労基法第24条で定める賃金支払いの5原則が適用されるとみていい。判例では、この解雇予告手当を小切手で支払ったたため、通貨払いでないことを理由に解雇予告が否定されたケースもあるので、細心な注意を要する。
実務相談
先に振替休日取らせたい
年末年始に多量発注が見込まれるため、生産部門から「振替により、休日を先に与え、業務繁忙期に出勤させたい」という打診がありました。通常、休日を後の労働日と振り替えますが、逆パターンも可能なのでしょうか。認められるとして、「何カ月以内」のような期間制限があるのでしょうか。


