労働新聞 11月22日 第2802号
ニュース
喫煙室設置費を助成――厚労省・200万円上限で検討
厚生労働省は平成23年度、受動喫煙防止対策の義務化に伴い事業場に対する財政的支援を検討中だ。喫煙室設置による空間分煙を実施する飲食店などに、設置相場費用の4分の1程度、上限200万円を助成する考えである。喫煙室設置などにかかわる技術的な問い合わせに対して的確なアドバイスができるよう、コンサルタントによる相談支援事業や説明会の開催も予定している。
審査効率化で迅速性確保を――全労委総会
全国労働委員会連絡協議会は11月10~12日、第65回総会を東京都内で開いた。労働委員会の紛争処理件数の大幅な減少を背景に、「労働委員会の活性化に向けて」と題するパネル討議を開催し、労使各側弁護士や大学教授らパネラーと会場の公労使委員が白熱した議論を展開した。審査事件について、争点整理のための調査回数縮減の工夫などによって、さらなる迅速化を図るよう求める意見がめだった。増加する個別労働紛争にも積極的に関与し、「紛争の全面的な取扱機関となるべき」とする声も強い。
35%が特別延長時間超える――大阪労働局自主点検
大阪労働局(西岸正人局長)は、長時間労働の抑制等に関する自主点検結果をまとめた。35%の事業場で36協定の特別延長時間を超えて働かせていることが明らかになった。月80時間超の特別条項付き36協定を届け出た事業場を対象としたもので、延長回数が年6回を超えるなど運用自体に問題のある事業場もめだつ。未回答も含めて集団指導や立入調査で対処する方針である。
労組
12月に共同の“労働条件白書”発行――UIZ流通部会とJSD
「1つの産業に1つの産業別労働組合」の理念を共有するUIゼンセン同盟(UIZ)流通部会と日本サービス・流通連合(JSD)は年内に、同一調査項目を集約してまとめる「労働条件白書」を発行する。平均年齢をはじめとする労務構成はもとより、賃金や労働時間など基本的労働条件の実態をひとつにまとめる初めての試み。「流通・小売業」で働く者のいわばスタンダードの把握につながり、春闘をはじめとする労使交渉の場で大きな要求根拠としても使える。
賃金
2010年賃上げ・組合員平均1.9%に――日本経団連・昇給・ベア調査
日本経団連の「2010年1~6月実施分昇給、ベースアップ実施状況調査」によると、組合員平均の賃上げ額は5,832円となり、所定内賃金に対する賃上げ率は1.90%だった。前年結果の5,736円、1.85%に比べて96円増、0.05ポイントの上昇にとどまり、2年連続で6,000円を割り込んでいる。昇給・ベアの実施状況に関するアンケート調査では、「昇給実施・ベアなし」の企業割合が91.2%と大半を占めた一方、「昇給・ベアともに実施」は6.7%となっている。
追跡レポ
情熱・異能人材獲得へ手応え――富士通・チャレンジ&イノベーション採用
富士通(株)(本社事務所・東京都港区、山本正巳社長、従業員・単独2万5,134人、連結17万2,438人)は、来年4月入社の新卒社員の採用で、「チャレンジ&イノベーション採用」枠を新設した。応募者は、スポーツや起業経験などこれまでに特定分野で上げた高い実績をプレゼンテーション形式の面接でアピールした。これまでの手法では採用が難しかった「挑戦心」「行動力」を持ち、個性豊かな人材を発掘するのが狙い。期待どおりの人材が獲得できたと評価し、次年度には同採用枠を3倍程度に拡大する考えだ。同社のユニークな採用の取組みを追った。
人事学望見
人事院勧告と民主党公約
国家公務員の場合は、協約締結権やストライキ権が否定されているなど労働基本権の制約を受けているため、独立機関である人事院が毎年4月時点の民間給与(従業員50人以上)と公務員給与を比較して、国会と内閣に給与改定の勧告を行う。民主党政権では、公務員の削減と給与の大幅引下げを公約しており、今年の-1.5%という勧告をどう受け止めるかが注目されていたが、大幅引下げは断念し勧告どおり実施することになった。昨年の衆議院選挙で、民主党マニュアルには国家公務員にも労働基本権を認めるとしており、民間並みの賃金交渉も可能となる見込み。それを踏まえると同時に、菅直人首相は民主党代表選挙の公約で「公務員給与の2割引下げ」をうたっており、今年も勧告どおりとすると、公約の実現は困難視されている。
実務相談
1時間の勤務短縮認めるか
当社では、改正育介休業法の施行(平成22年6月30日)前から育児短時間勤務制度に関する規定が存在し、所定労働時間の1時間短縮を認めていました。今回、従業員が従来と同一条件の短時間勤務を申し出てきましたが、改正法によれば所定労働時間の2時間短縮が必要となります。どのように対応すればよいのでしょうか。


