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労働新聞 11月8日 第2800号

ニュース

膨大な事務量軽減へ――精神障害の労災認定迅速化

厚生労働省は、精神障害に対する労災認定の審査迅速化・効率化を図るため、専門家9人による専門検討会を設置した。精神障害に関する労災認定請求件数は、平成10年度に42件であったものが、21年度には1,136件に達し、今後も増加が見込まれる状況にある。事案審査に要する期間は約8.7カ月で、行政内部において「膨大な事務量」を要している。事実関係を明確にする過程で、簡素化や省略できる調査はないか、認定基準のさらなる明確化はできないか、などを検討する。

テレアポ業務、請負契約者に労働者性――都労委

東京都労働委員会(永井紀昭会長)は、中古車販売のグループ子会社と業務請負契約を結んだテレフォンアポインターが加盟する労働組合が団体交渉を求めた紛争で、団交を拒否した同グループ親会社を不当労働行為と認定した。アポインターは、子会社から勤怠管理や具体的な業務指示を受けていたほか、報酬が勤務時間に応じて支払われ労務提供の対価とみられることなどから、労働組合法上の「労働者」と判断。子会社は実質的に親会社の内部組織にすぎないため、親会社が団交義務のある「使用者」に該当するとした。

目視検査や梱包に従事――神奈川労働局

神奈川労働局(及川桂局長)は、派遣期間に制限のない専門業務と称して実際には制限のある自由化業務に労働者を派遣したとして、一般派遣事業主の㈱オーエスピー(神奈川県横浜市)に事業改善を命令した。同社は、派遣契約で専門26業務の機械設計(2号業務)などを対象としていたが、派遣先ではこれに該当しない完成品の目視検査やラベル貼り、梱包などの業務に従事させていた。

労組

年間所定 業界初めて2000時間切る――敷島製パン

長時間労働の代表格である製パン業界の中で唯一、年間所定労働2000時間を切ることに成功した敷島製パン(パスコ)の取組みに同社労働組合の関与が大きかったことが分かった。松谷和重委員長のリーダーシップはもとより、同労組が加盟するフード連合(渡邉和夫会長)がプロジェクトチームを形成しながら行った直接的支援が一定の役割を果たした。収入減や企業間競争力の後退につながりかねないとして、これまで取組みを躊躇してきた労使双方が自らの意識を改革、労働環境整備へ一歩前進した。

賃金

総合職・大卒35歳32.6万円――愛知のモデル賃金

愛知県経営者協会と名古屋商工会議所がまとめた「平成22年度版愛知のモデル賃金」によると、総合職・大卒のモデル賃金は、22歳20.3万円、35歳32.6万円、40歳38.0万円、50歳46.4万円などとなった。全体的に前年比減少傾向を示したなかで、35歳および40歳は横ばいだった。管理職の実在者賃金は、課長クラスが0.3%減の44.0万円、部長クラスが0.6%減の54.9万円だった。3年ぶりとなるモデル退職金調査では、総合職・大卒の60歳・会社都合時が1,522万円となり、前回調査から0.1%増加している。

追跡レポ

企業理念浸透に節目研修――三井物産・アドバイザー制度

三井物産(株)(東京都千代田区、飯島彰己社長、従業員・単体6,132人、連結4万1,454人)では、若手社員教育に力を入れている。入社1・3・6・9年目に実施する節目研修の討議の場で、年長の“アドバイザー”を、6~8人のグループごとに配置しているのが特長だ。議論を活性化させ、企業理念の理解に向けて自分の背中を見せて教え導くことが役割。新人研修では共に富士山清掃活動にも参加。一方で自前の独身寮を復活させ、新人のほぼ全員が入寮する態勢に。部署の異なる若手同士がコミュニケーションを高めることで商社マンに必要な人間力を養う。

人事学望見

最低賃金急ピッチで上昇

平成22年度の地域別最低賃金額は全国加重平均で730円。前年に比べ平均17円の大幅アップである。一般労働者の賃上げ率(月給)の約2倍に相当する。これは、19年の最賃法改正で生活保護費に準拠するという基準が盛り込まれたことが大きい。今年度の改正によって、12都道府県あった「生活保護費以下の最賃」は、7府県が解消され、残っているのは東京など5都道県。不労所得である生活保護費より労働の代償である最賃の方が低いのは問題であるのは確か。しかし、地域を4つに分けた相場では、主に低いランクに当たるCおよびDランク地域において、パートタイマーの時給にモロに反映しており、決定基準の1つである通常の事業における賃金支払い能力を無視しているとの批判もある。政府の雇用戦略対話では、2020年までに全国平均1000円の実現をめざすという企業の支払い能力を無視した政・労・使の合意が成立しており、上昇圧力は強まる一方だ。

実務相談

事業主には罰金のみか

労基法違反が懸念されるケースであっても、中間管理職としてワンマン経営者の意向に逆らえないのが実情です。事業主にも両罰規定が適用されますが、「罰金刑を科す」と規定されています。直接の指示者には、罰金のほか懲役刑が科される可能性もあり、バランスを失する気がしますが、いかがでしょうか。