労働新聞 1月18日 第2761号
ニュース
労働契約申込みで「みなし規定」――厚労省が派遣法改正案
厚生労働省の労働政策審議会は、次期通常国会に上程する労働者派遣法改正案に盛り込むべき事項を明らかにした報告書をまとめた。派遣労働者の雇用安定を図るため、常用雇用型以外の登録型派遣を原則禁止とするが、専門26業務や育児休業の代替要員派遣、高齢者派遣などは例外として認める。製造業務派遣も常用雇用型派遣を除き原則禁止とした。禁止業務に派遣を受け入れるなど、違法行為をしていた派遣先に対しては、派遣労働者に労働契約を申し込んだとみなす規定を新設する。
紹介予定装い医療業務派遣――東京労働局が改善命令
東京労働局(東明洋局長)は、病院に薬剤師を派遣し、労働者派遣法で禁止されている医療関係業務に従事させたとして、派遣元の㈱ウイングメディカル(東京都港区、恩田乾次郎代表取締役)に対し、事業改善を命令した。実際には職業紹介を行う予定がないにもかかわらず、医療関係業務の就労が認められている紹介予定派遣を装い、1日~1カ月契約の短期的な派遣を繰り返していた。派遣可能期間を超えた労働者派遣なども行っていた。
不況の出版業へ集団指導――中央労基署
東京・中央労働基準監督署(岩田俊勝署長)はこのほど、管内の出版業に対して集団指導を行った。就業規則の未届け、あるいは従業員数50人以上で産業医が未選任の事業場などが対象で、裁量労働制の適正な運用や長時間労働者に対する医師による面接指導制度の整備などを促している。雑誌の休刊や書籍の売上げ低迷など出版不況が及ぼす一般労働条件への悪影響を懸念したもの。
労組
船員確保へ奨学金制度創設――全日本海員組合
全日本海員組合(藤澤洋二組合長)は、減少が続く日本人船員の後継者確保・育成の一環で、労組独自の奨学金制度を今年4月に創設する。論点整理の資料などによれば、国土交通省に登録する第1種船舶職員養成施設の学部・学科に在学し、船員を志す学生・生徒が対象になりそう。他の奨学金制度との併給や家庭の収入基準などは設定しない方向で検討が進んでいる。奨学生は、卒業後に無利子で分割返還の義務を負うが、海運会社などに就職して、組合費の納入実績が確認された分は返還を免除する。
賃金
大卒モデル賃金35歳32.3万円に――東京都・中小の賃金事情調査
東京都の「平成21年版中小企業の賃金事情」調査によると、大卒のモデル賃金は22歳20.4万円、35歳32.3万円、45歳41.6万円、ピークの55歳47.8万円などとなった。35歳以上のすべての年齢で前年比ダウンしており、減少率も軒並み1.0%を超えている。一方、一般労働者全体の平均賃金については所定時間内賃金が前年比3.7%減の33万5,398円、所定時間外賃金が5.7%減の2万4,664円だった。
追跡レポ
広がる在宅サイドビジネス――NTTコム チェォ・「CAVAスタッフ」制度
エヌ・ティ・ティ・コム チェォ(株)(東京都港区、桜井伝治社長)との業務委託契約により、ITスキルを生かしてインターネット接続の電話サポート業務などを行う在宅スタッフ(CAVA)の働き方が注目を浴びている。電話を受け付ける時間帯を自由に選べ、フォローアップ態勢も充実。主婦層のサイドビジネスのほか、高齢者の雇用の受皿としての評価も高まっている。子育てとの両立推進へ、母子家庭を対象に、資格取得から研修までの優遇策も開始した。
人事学望見
届出・周知のない就業規則
労働基準法では、常時使用する労働者が10人以上に達する場合、使用者に対し、就業規則の作成を義務付けている。同時に作成変更に当たっては、労働者代表の意見を聞き、それを貼付して所轄労働基準監督署長に届け出なければならい。また、作成した就業規則は、常時労働者がみられるように備え付けておかなければならない、とされている。ところが、多くの事業場では、作成義務は果たすものの、届出や周知についてはいい加減なものがめだつ。こうした場合、労基法の要件を満たしていないのだから、法規範性は否定されるとの見方があるものの、規定が法を下回るものでない限り、ほこりを被って書棚の隅っこに放置されている就業規則でも効力を肯定している。
実務相談
受入れ人数変更も通知で処理?
派遣契約を結ぶ際、派遣料の取決は基本となる契約書に書き込むのが正しいのでしょうか。経済情勢が不透明なので、個別の契約書に盛り込めないでしょうか。人数については、派遣労働者を受け入れる都度、弾力的に変動させる形にしたいと考えています。氏名等の通知とセットで処理するのは可能でしょうか。


