労働新聞 10月27日 第2702号
ニュース
地域雇用創出へ新助成金――厚労省・20年度補正予算
厚生労働省は、平成20年度補正予算で、中小企業の雇用維持対策や非正規労働者の雇用対策を「強力に進める」とした。雇用失業情勢が厳しい地域の雇用対策として、地域再生中小企業創業助成金、地域雇用創造実現事業、雇用創造先導的創業等助成金(いずれも仮称)を創設するほか、日雇派遣労働者などの安定就労を目的とした特別相談窓口をハローワーク内に設置し担当者制によるきめ細かい支援を行うとしている。
派遣先製造業の2割で違法残業――臨検結果
東京労働局(東明洋局長)は今年度上半期、製造業を中心に、派遣労働者を受け入れている事業場に対する集中的な臨検監督を実施した。対象となった約60事業場のうち、派遣元に派遣労働者を対象とする時間外・休日労働協定(36協定)がないにもかかわらず時間外労働を行わせるなど労働基準法第32条(労働時間)違反が2割に上った。労働安全衛生法関係では特殊健康診断の未実施などがめだっており、違反が発覚した事業場に是正勧告書を交付している。
運行記録偽装で送検――長崎労基署
長崎労働基準監督署(橋上靖洋署長)は、運転者に運行記録の改ざんを命じて36協定を超える時間外労働をさせたとして、タクシー会社などを労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで長崎地検に書類送検した。同社は運転者にチャート紙を2枚渡し、決まった時刻に取り替える「二重タコ替」を指示。最大1カ月40時間以上も違法に働かせていた。長く働かせたい会社側と収入を増やしたい労働者側の思惑が一致したとみている。
労組
化学物質管理へ2020年労使委設置を――UIゼンセンが中期政策
UIゼンセン同盟(落合清四会長)は、持続可能な開発に関する世界首脳国会議(WSSD)が02年に採択した計画を受け、「化学産業の化学物質管理政策」を策定した。WSSDが採択した計画と同様、「人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化するような方法で化学物質が生産・使用されることをめざす」と同政策は宣言。到達目標年である2020年を強く意識した専門委員会を労使で立ち上げ、化学物質管理に関する経営ビジョンや同ビジョンを達成するための人材育成などについて議論していく方針を打ち出した。国や企業に対する要望事項だけでなく、組合員自らの能力向上も不可欠と強調している。
賃金
企業理念を行動評価に反映――凸版印刷
凸版印刷㈱(東京都千代田区、足立直樹社長)では、行動・能力・業績の3つの評価を組み合わせ、一般従業員層の月例給与改定に反映している。行動評価は、企業理念、経営信条に基づく5つの行動要素を評価するもので、能力評価はこれら行動を実践するうえで求められる5つの能力・スキル要素を採点していく。両者に目標管理による業績評価を加え、5段階で総合的な評価を決定する。等級体系と処遇制度については、複線化により技能系職種とそれ以外の職種で異なる仕組みを採用。それぞれの業務特性や成果の現れ方に応じた制度を実現している。
追跡レポ
販売員 優秀チームを全国表彰――オンワード樫山
㈱オンワード樫山(東京都中央区、水野健太郎社長、従業員・契約社員含み1万1,800人)は、今年7月に初の「全国販売員表彰式」を開催した。営業の第一線で働く販売スタッフのモチベーションを高め、定着率の向上と営業力アップを狙う。売場のまとめ役である店長に全国一斉の店長研修を実施するなど教育の充実化を進めることで、指導力アップにつなげ、他のスタッフの育成への波及効果も期待している。
人事学望見
企業外非行を罰するときの注意
道路交通法が数次にわたって改正強化されたため、酒酔いや飲酒運転事故は大幅に少なくなった。人事院では公務員に対して厳罰で臨むとしており、事故を起こしていない交通検問で飲酒が発覚し場合には、免職を適用するケースもあるほど。これが民間にも波及し、公共交通機関や輸送機器製造業など自動車関連の企業では、飲酒運転で死亡・重傷事故を起こした場合には懲戒免職とすると謳う就業規則も珍しくない。しかしながら、判例や学説では、企業の社会的評価の毀損をもたらすもののみが企業秩序維持のための懲戒の対象となるに過ぎないとし、就業規則の包括的条項を限定解釈し、私生活上の非行に対する懲戒権発動を厳しくチェックしている。
実務相談
1人に1台パソコン必要か
社内文書の電子データ化に伴い、就業規則を印刷し、各人に配布する方式を廃止したいと考えています。大多数の社員については、1人1台、パソコンを貸与する体制が整っていますが、倉庫等の現場で、一部、機器を持たない社員がいます。「所属長のパソコンでみる」形にすれば、問題ないでしょうか。


