労働新聞 10月25日 第2798号
ニュース
大手への自己啓発支援全廃――厚労省・キャリア形成助成金で
厚生労働省は、企業内での人材育成を支援している「キャリア形成助成金」の支給対象を大幅に縮小する方針を決めた。主に大企業向け助成の廃止・縮小、支給額の上限引下げ、ジョブ・カード関係訓練の助成率引下げ、実績の低いメニューの廃止などを行うとした。さきごろ実施された行政事業レビュー(事業仕分け)において、「大企業への助成の必要性に疑問あり」などと指摘されたのが背景にある。
優秀な人材育成へ大学院教育を支援――日化協
(社)日本化学工業協会(藤吉建二会長)は、化学産業の国際競争力や技術力の向上を担う博士人材を育成するため、「化学人材育成プログラム(仮称)」を来年4月からスタートさせる。化学系大学院専攻科(博士後期課程)に対して、企業側が求める知識・能力、人材像を発信するとともに、カリキュラム改革を手助けする。対象専攻科の院生を対象としたインターンシップや奨学金給付も行う。産業界のニーズに合った大学院教育を促せば、企業入社後の人材育成の効率化にもつながるとみている。
労組加入装い違法労供――新潟労働局
新潟労働局(吉松美貞局長)は、自社の社員を労働組合に形式的に加入させたうえで港湾運送業務に労働者供給を行ったなどとして、特定労働者派遣事業主の㈲井澤商事(新潟県上越市)に対し労働者派遣法に基づく事業改善を命令した。労組からの適法な労働者供給を装うためで、実際は同社が供給先の依頼を受けて送り込んでいた。倉庫内作業での偽装請負と併せて是正を指示している。
労組
UNI長崎大会で組合つぶし世界に訴えへ――AOKIユニオン
「紳士服のAOKI」で知られる(株)AOKIなどにおける労使紛争の件で、同社の労組(AOKIグループユニオン・柴山敏郎中央執行委員長)を全面支援するUIゼンセン同盟は、加盟する国際産別・UNIが11月に長崎県で開催する世界大会で何らかのアクションを起こす考えだ。ユニオンからの脱退工作など、経営側による組合つぶしが今年6月以降、現在まで続いているためで、世界からサービス業系労働者およそ2,000人が集う同大会を「支援の輪を広げるチャンス」(担当局長)と話している。
賃金
時給ベースで同水準を確保――モロゾフの短時間正社員制
モロゾフ(株)(兵庫県神戸市、川喜多佑一社長)は、短時間勤務ながら雇用期間の定めのない契約を結ぶショートタイム社員制度を導入している。一般のフルタイム社員とともに社員として扱い、共通の格付け制度を適用する。基本給は、時間給を正社員と同水準とし、勤務時間に応じて設定。賞与や前払い制の退職金も支給している。年1回の試験制により優秀なパートタイマーを社員登用するための受け皿としているほか、フルタイム社員との相互転換も可能とし、優秀な人材の確保・定着を進めている。
追跡レポ
若手選抜し海外経験積ませる――日清紡HD・グローバル人材育成策
日清紡ホールディングス(株)(東京都中央区、鵜澤静社長、従業員・連結1万2,488人、単体230人)では、海外で活躍できる若手人材の育成を多角的に進めている。職種を問わず年間4人程度を選抜して6カ月間、業務を離れ米国の語学学校で英語漬けにするのが「海外英語研修制度」(POET)。技術者をブレーキ部門の拠点(米国、タイ)に2年間派遣し、実務研修を通して育成するのがその名も「グローバル人材育成制度」だ。いずれも異文化理解の促進が最大の目的で、海外マーケットへの事業展開が加速するなか、相手文化を理解し英語でコミュニケーションできる人材を育てる。
人事学望見
3カ月に満たない者の平均賃金
平均賃金といえば、解雇予告手当や減給制裁でおなじみだが、最近は景況悪化に伴う休業に対する手当への助成金関連で話題を集めている。平均賃金の算出基礎給には、臨時に支払う賃金、3カ月を超えるごとに支払う賃金、そして一定の現物給与を除いて、すべての賃金を算入しなければならない。算定すべき事由が発生した日以前に支払われた賃金の総額をその期間の総日数で除す。入社して3カ月に満たない者の場合は、雇入れ後の総額をその期間で除して算出するが、賃金締切日がある場合にはそれを起算点とする。例えば、入社2カ月半の者は、賃金締切期間を満足する2カ月間の総額を2カ月分の総日数で除して算出することになるわけ。賃金締切日に到達していない者は、入社後の総賃金をその間の総日数で除して算出する。
実務相談
代替休暇前に被災し補償は?
長時間労働発生時の代替休暇に関して、質問があります。従業員が代替休暇の意向を示したのち、業務上災害に遭って休業したとします。代替休暇を取得できなくなったので賃金清算を実施しますが、平均賃金を算定する際、この清算分の扱いはどうなるのでしょうか。


