労働新聞 10月19日 第2749号
ニュース
公益・使用者委員が懸念――派遣法改正審議
新政権発足後、初めて開催された「今後の労働者派遣制度の在り方」をテーマとする審議会で、公益委員と使用者委員の双方が、派遣規制の強化に懸念を表明した。長妻昭厚生労働大臣が、労働者派遣制度の改善について労働政策審議会に諮問したもので、今後、労働力需給制度部会において具体的な審議がスタートする。民主党などが主張する製造派遣の原則の禁止、登録型派遣の範囲縮小の2つの問題に関心が集中、規制強化の行き過ぎに明確に「不安」を訴える公益委員もいた。
能力向上へ勤務薬剤師会を設置――ドラッグストア協会
日本チェーンドラッグストア協会(略称JACDS、寺西忠幸会長)は、会員企業に勤める薬剤師の専門知識習得、能力向上を後押しするため、「JACDS勤務薬剤師会」を設置した。各社の薬剤師管理担当者を通じて医薬品販売のマニュアル、教育用資料を配布する。研修を充実させ、一定のスキルを持った者を「マスター勤務薬剤師」として認定する資格制度の導入もめざす。今年6月の改正薬事法施行で、一部の医薬品販売について説明義務が課されるなど、薬剤師の役割が大きくなったのが背景にある。
公契約 受注者に独自最賃義務付け――野田市条例
千葉県野田市は、9月の定例議会で同市が発注する建設工事などを請け負う受注者に対し、独自に定めた最低賃金の支払いを義務付ける公契約条例の制定を全会一致で可決した。入札価格の低下により下請などの労働者の賃金が切り下げられているためで、適正な労働条件を確保するとともに公共工事などの質を向上させるのが狙い。最低賃金は、国土交通省などが公共工事の積算に用いる労務単価の8掛け、あるいは同市の高卒初任給の時間額829円を基準に決定していく。条例に違反すると、是正措置を命じられるほか最悪の場合、契約解除となる。
労組
厚い“中間層”再構築へ――連合が第11回定期大会
連合は10月8~9日、東京で第11回定期大会を開催し、これまで事務局長を務めてきた古賀信明氏を高木剛会長の後任として正式に決定、新体制をスタートさせた。労働界の悲願だった政権交代の実現と結成20周年の一致で祝賀ムードが漂う一方、米経済指標の悪化で国内景気の二番底懸念が言われるなかでの大会となり、「社会の底割れ」に歯止めをかける運動に力点を置く方針を固めた。中小下請け、非正規労働者の処遇改善や有期契約の法整備などを通じて底上げを図り、中間層「厚み」を取り戻す狙い。
賃金
年間給与1.7%減の430万円に――国税庁・20年民間給与調査
国税庁の平成20年民間給与実態統計調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は429万6,000円だった。前年に比べて1.7%ダウンし、過去最悪の減少率を示している。平均賞与が6.0%減少したうえ、平均給料・手当も1.0%減少した。一方、男性の平均給与は1.8%減の532万5,000円で、年齢階層別では20~24歳264万円、30~34歳453万円、40~44歳617万円、50~54歳670万円などとなった。30歳から44歳にかけての落込みが顕著で、35~39歳では5.4%減と大幅にダウンした。
追跡レポ
時間有効活用へ「シゴトダイエット」――パナソニック電工
パナソニック電工(株)(大阪府門真市、畑中浩一社長、従業員・連結5万6,848人)では、仕事を見直し、ムダをなくし、効率を上げることで、年間1人当たり50時間の労働時間を削減する3年間の時限プロジェクト「シゴトダイエット」に取り組み、成果を上げている。半期ごとの全社共通テーマと併行して2カ月ごとに新規の自部署テーマに取り組む。効率化によって生まれた時間を自己投資や新たな仕事へチャレンジするために有効活用するのが狙いだ。
人事学望見
降格・降職処分は使用者の人事権か
労働者が労働契約に違反する行為をなした場合、使用者は人事権を行使して制裁する。労働基準法第91条には、制裁規定の制限として、減給の定めを適用するときには、1回の事案につき平均賃金の1日分の半額を超え、1賃金支払い期の総額が10分の1を超えてはならないと規定している。ところで、職務上の失敗や成績不振の場合などでは、降格や降職処分を科す例があるが、それは必ず就業規則に規定した範囲ないで行わなければならない。使用者は、人事権の範疇という考えに立つ者が多いが間違った判断ということになる。また、同じ仕事を継続させる場合の降格は、減給の制裁の範囲を超えることが圧倒的に多いため、これも労基法違反となる。降格等は、まず、就業規則において根拠付けをし、かつ減給の制裁の制限を受けないように、仕事内容も変えなくてはならない。
実務相談
月60時間超の起算日は?
平成22年4月から施行される改正労基法で、質問があります。「時間外が月60時間を超えた場合において、5割以上の割増賃金を支払う」規定となっていますが、毎月1日が起算日になるのでしょうか。当社では、毎年、3月20日から1年を対象として、時間外・休日(36)協定を結んでいます。


