労働ビッグバン下における非正規社員の有効活用(改正パート労働法解説付)
本書は、企業が経営維持のために必要な人件費の流動化・低額化を一定程度実現させながら、労働者の「雇用と賃金」、「安全と健康」を守っていくという労使の利益均衡点はどこにあるのかを検討する視点から、企業における非正規社員の有効活用について解説しています。 平成20年4月1日には、今後の非正規社員利用への影響が懸念されている改正パート労働法が施行となることから、同改正法の条文解説を加え、企業実務でより役立つ内容となっています。
弁護士 石嵜 信憲 編著/社会保険労務士 宮本 美恵子 著 B5 2色 166ページ
ISBN978-4-89761-038-2
2008年3月18日発売
1,500円
序 章 雇用社会の今日的状況
■ 正社員雇用率の低下
■ 労働立法からみる雇用社会の状況
■ 労働行政からみる雇用社会の状況
第1章 労働法の観点から考える
労働者の「雇用と賃金」、「安全と健康」
1 労働法とは
■ 憲法上保障された私的経済活動の自由と民法原則の適用
■ 憲法25条1項における生存権の保障
■ 生存権保障のための労働法による修正
■ 生存権法を中心とした労働法の時代(昭和20年代~)
2 雇用社会の変容と労働法・労働行政の変化
■ 雇用社会の変容
■ 憲法14条と均等法の関係
■ パート労働法の性格と違反した場合の行政対応
■ パート労働法違反を理由とした民事損害賠償請求が認められるか
■ 労働契約法制定の影響
第2章 労働契約の観点から考える
労働者の「雇用と賃金」、「安全と健康」
1 昭和の長期雇用システムと解雇権濫用の法理
■ 長期雇用システムと解雇権濫用の法理
■ 非正規社員の変遷と解雇権濫用の法理の適用問題
2 非正規社員に対する賃金額の設定
■ 同一労働・同一賃金原則の有無
■ 例外的に同一賃金が議論されうる場合
3 労働者の安全と健康に関する契約上の義務
■ 安全配慮義務と注意義務
■ 非正規社員の「安全と健康」
第3章 就労の多様化が与えた影響
1 就労の多様化と「雇用と賃金」の現状
■ 広がる雇用のポートフォリオ
■ 若年労働力有効活用の重要性
■ 国際的な価格競争と日本の賃金水準
■ 職種別労働市場の形成
■ 賃金格差の拡大
■ 賃金水準再設定の必要性
2 就労の多様化と「安全と健康」の現状
■ 労災事故発生状況
■ 労働災害発生の要因
■ 日雇い派遣の問題点
■ 過労死・過労自殺等の労災申請・認定状況
■ 労働時間と健康状況
■ 就労の多様化による職場環境変化
第4章 偽装請負からみる雇用社会の問題点
1 偽装請負問題の経緯
■ 従来の行政姿勢
■ 合同労組等の功績
■ 雇用社会に与えた影響
2 偽装請負が提起した問題
■ 偽装請負の本質論
■ 行政指導の方針
■ 偽装請負から日雇い派遣へ、行政指導ターゲットの変化
第5章 外部労働力(派遣・業務委託)の有効活用
1 非正規社員活用のポイント
■ 雇用形態に応じた利益均衡点
■ 信頼関係の重要性
■ 「安全・健康」の重要性
2 派遣の有効活用
■ 人件費調整策としての派遣利用
■ 派遣元と派遣労働者間の契約解消
■ 派遣利用の問題点(日雇い派遣等)
■ 労使利益の均衡点
■ 行政の役割
3 業務委託の有効活用
■ 業務委託の必要性
■ 派遣法違反のおそれの排除
■ 業務委託による若年労働者の有効活用
■ 製造業における業務委託のポイント
■ 業務委託成立事例(家庭教師派遣・店員派遣等)
■ その他問題事例
■ 請負企業における人員調整策
■ 請負企業が直接雇用する場合
■ 請負企業における他人の労働力利用
■ 請負企業における労働力利用のポイント
4 個人業務委託の有効活用
■ 個人事業主か労働者か
■ 労働者性の判断
■ 個人業務委託の問題点
第6章 直雇用非正規社員の有効活用
1 パートタイマーの有効活用
■ パートタイマーの利用による人件費流動化策
■ 期間の定めをするか否か
■ 補助的・臨時的業務に就くパートタイマーとの契約解消
■ 基幹的・恒常的業務に就くパートタイマーとの契約解消
■ パートタイマーとの契約解消の実態
■ パートタイマー利用による人件費低額化策
■ 労務管理のポイント
2 期間雇用者の有効活用
■ 安全・健康に対する責任
■ 人件費低額化は実現できるか
■ 人件費流動化は実現できるか
■ 期間雇用者利用のメリット
3 契約社員(専門能力者)の有効活用
■ 健康管理の重要性
■ 営業秘密の保護
■ 成果物の移転
■ 期間設定の意味
4 外国人労働者の有効活用
■ 在留資格の確認
■ 外国人雇用状況の届出
■ 労働関係法令の適用
■ 外国人労働者の労務管理のポイント
5 まとめ(労働ビッグバンの今後)
■ コスト調整と労働者保護の均衡
■ 今後の人材利用と労働立法のゆくえ
第7章 改正パート労働法解説
1 総 論
■ 従来のパート労働法の趣旨と目的
■ パートタイマーの現状と法改正の経緯
2 主要条文解説
■ 目 的(1条)
■ 定 義(2条)
■ 事業主等の責務(3条)
■ 労働条件に関する文書の交付等(6条)
■ 就業規則の作成の手順(7条)
■ 通常労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止(8条)
■ 賃 金(9条)
■ 教育訓練(10条)
■ 福利厚生施設(11条)
■ 通常の労働者への転換(12条)
■ 待遇決定に当たって考慮した事項の説明(13条)
■ 苦情の自主的解決(19条)
■ 紛争解決促進に関する特例(20条)
■ 紛争解決の援助(21条)
■ 調停の委任・調停・厚生労働省令への委任(22・23・24条)
■ 改正パート労働法への実務対応策
関係資料
1.労働契約法
2.短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律
3.労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準



